今後の成長性

生化学工業10年ビジョンと中期経営計画

生化学工業は、2009年3月に「生化学工業10年ビジョン」を策定し、得意分野である糖質科学に研究開発の焦点を合わせて、『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として発展することを目指しています。

 2016年4月からは、10年ビジョンの最終ステップとして、重点地域とする米国での更なる販売拡大を図るとともに、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の国内上市・米国承認取得や、既存製品の新市場への進出を目指します。また、そのために必要となるグローバル基準の生産・品質管理体制を強化します。

さらに、次世代の飛躍につながる創薬・育薬パイプラインの充実を図るために基盤技術を確立し、更なる成長に向けた強い研究開発組織を構築します。

中期的な成長トピックス

単回投与の関節機能改善剤ジェル・ワン(Gel-One):成長ドライバーとして期待の製品

2012年8月より米国での本格的な販売に着手したジェル・ワンは、成長ドライバーとして期待している製品です。
ジェル・ワンが持つ高い粘弾性により、1回の投与で複数回投与製品と同じ効果を示すことや、競合品と比べ少量で有効性を示すことから、高い競争力を有しています。
販売提携先のジンマーバイオメット社とともに、ジェル・ワンを償還する民間保険会社の拡充や、製品の認知度を高める活動を推進し、米国における市場浸透を図っていきます。

米国において、変形性ひざ関節症の顕在患者数は1,500万人、潜在患者数は1億2,500万人と推計されており、ヒアルロン酸製剤の需要拡大の余地は大きいと見ています。ヒアルロン酸製剤市場は2009年に単回投与製品が投入されたことや3回投与製品の伸びもあり、2015年には9億4,000万ドルまで成長しています。

新薬の発売(SI-6603、SI-613)

■SI-6603:腰椎椎間板ヘルニア治療剤

腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中心にある髄核が飛び出し、周りの神経を圧迫することで腰や足などに強い痛みやしびれなどが生じる病気です。
SI-6603は、髄核の構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)を特異的に分解するコンドリアーゼという酵素を利用した注射剤です。椎間板内に直接投与することにより、GAG を分解して髄核を縮小させることで、神経への圧迫を減少させる効果が期待されます。また、タンパク質を分解しないため、血管や神経などの周辺組織に影響を与えないと考えられています。

 

現在、腰椎椎間板ヘルニアの根本治療となる薬物療法が存在しないことから、重度の場合はヘルニアを取り除くための手術を受けていますが、これには高額の費用負担に加え、数週間の入院とリハビリが必要です。このSI-6603 は1回の投与で手術と同程度の症状改善効果が期待できる薬剤であり、SI-6603を発売することで、患者の方々の身体的負荷軽減や生活の質(QOL)の向上への貢献が期待されます。
日本では臨床試験が終了し、2014年1月に承認申請を行いました。米国では第3相臨床試験を行っています。

■SI-613: NSAIDを結合したヒアルロン酸注射剤

SI-613は、当社独自の薬剤結合技術を使って非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)をヒアルロン酸に化学結合した変形性ひざ関節症の新しい注射剤です。

ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、NSAIDの有効成分が徐々に放出されるように設計されていることから、強い痛みを速やかかつ長期間にわたり改善することが期待されています。また、NSAIDsの飲み薬や貼り薬に比べ、副作用の軽減も考えられています。
SI-613は、他のNSAIDs製剤や、ステロイド剤の関節内注入などを処方されている変形性ひざ関節症の痛みの強い患者の方々を主な対象と想定しており、日本のみならず、米国を含めたグローバル展開を目指す製品として位置づけています。